2021/03/23

CW「棺の街 アルビナ」感想

対象レベル:4~6
作者:伊礼さん

3人以上用長編探索読み物シナ。聖女と呼ばれる少女リリアと彼女の騎士ライラを、呪われた地アルビナまで護衛します。

最初からグイグイひっぱっていくストーリーで色々と考えさせられたし、探索モノとしてもやり応えありまくりで長編にふさわしい充実感が味わえました。
エンディングは二つということだけど、ストーリーの流れを大きく変えないような細かな選択も多くて、それぞれの冒険者らしさを出せるのが嬉しい。ワクくんは勇者だから、目の前で悲しむ人がいたら放っておけないよね。

アルビナの街の成り立ちや、自己犠牲と傲慢、無関心の果てにあるもの…。色々なものを見て、考えて、行動する冒険者にしびれます。
彼らの前に立ちふさがる者たちも、そう簡単に捨てられないものを背負っていて藻掻いているところが印象的でした。

亡者たちと共に覆い隠してきたものを、探索によって一つ一つ拾い上げて街の秘密に迫っていく展開がいいんですよね。閉塞感や絶望感が丁寧に描かれており、その分クライマックスの盛り上がりとラストの解放感が際立ってます。
長編映画の三本立てくらいの充実感でした。

頑張ればいっぱいスキルとアイテムをゲットできるし、連れ込みもあって歓喜。やっぱり一緒に泣いて怒って喜んで過ごしたNPCと、シナリオが終わっても一緒に冒険できるのがCWの好きなところだなぁ。NPCと冒険者が出会って初めてあの結末を手繰り寄せられたんだと思うと感慨深い。
よき長編シナリオでした。

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