2016/02/27

魔女の見せた涙「アリィとふくらしの魔女」感想

女性PC一人用の長編読み物シナリオです。例のごとく、吹雪さんのシナリオでクロスオーバーがあるというので、先にプレイしました。
…やっぱりjimさんのシナリオは文章が好みです。
メルヘンなふわふわした雰囲気にほっとしたかと思えば、暗く忍び寄る冒険者の闇が垣間見えてゾクっとしたり、悲しい過去に切なくなったり…。でも最後はその悲しみも越えて、どこか爽やかささえ感じられます。
人生山あり谷あり、表があれば裏もある。そんな生きるものの複雑さを物語に織り込んでいるから、彼らが本当に生きているように感じられるんですよね。どちらかというと、口調分けは細かくやってない方だと思うのに!

今回は勇猛果敢な戦えるヒーラーを選んだんですが、いざとなったら仲間を庇いそうな娘なので一人休養中という状況がしっくりきたし、アリィという少女と仲良しで絵本を読んであげる姿もピッタリということで、役に嵌っていたのもあってグイグイ引き込まれました。
それにアリィちゃんが可愛いんですよ。人懐っこくて素直で天真爛漫で。これは人間嫌いの魔女もイチコロですわ。
すべてがわかってから思うと、”仮面をつけた不気味な魔女”として見られてきた彼女が、怖がることなく真っ直ぐな目を向けられた時の気持ちを考えると泣ける!

また「冒険者の宿で」でもお馴染みのバンディッシュさんが登場したのには驚かされました。
しかもこのひと裏表激しいよ!!実は今まで騙されてたかも!?
そんなに彼を信用してたわけじゃないけど、軽くショックでした…。もしかしてPCの負傷って「赤塔」で負ったものなんだろうか?
「あんな小娘に…」と口は悪いものの、薬代をこっそり出してるのは彼のような雰囲気だったので何を考えているのか掴めません。あの召使さんも、装備品を見ると実は○○○の正体って…と謎が謎を呼んで。
う~ん、やっぱり人間って複雑です。

あと、もう一人調合師(だったかな?)の少女が登場するんですが、偶然にも先日プレイした「廃墟のひとり子」もモルガナちゃんと同じお顔で…(笑)
よくあることだけども、宿に待機してるモルガナちゃんが介抱してくれているみたいで、これまた物語に引き込まれる要因の一つになりました。

ちなみに、ふくらしの魔女ってなんだろう?と思ってたら、そのまんま”ふくらす魔法”が登場するんですね。カエルさんが可哀想(汗)
でも、ふくらしたのはカエルさんだけじゃなくて、それが後々、魔女の人柄と彼女を慕う人々のエピソードに繋がって、そこも良かったと思います。
かなり長い作品でしたが、読み応えありました♪

制作者:jimさん
推奨レベル:5~10
ジャンル:長編よみもの
収穫:ふくらしの杖(回避を下げて防御を上げる杖)、ナナフサギの枝(これがあれば魔法薬はいらないかも…)、手紙(仲間の優しさにほっこり)、大烏の使い(召喚スキル)

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